12月に読んだ本     

11月までの記録を読んだ順につけているといつまでたっても追いつかないどころか
差が広がるばかりなのでとりあえず中抜きします。
間はぼちぼち埋めるとして12月に読んだのをリアルタイムでお届け!


泳ぐのに、安全でも適切でもありません 江国香織                    5.5カラット
江国香織は凄く好きだった。
「流しのしたの骨」とか「ホリーガーデン」とか。新刊がでると江国香織だけは買っていた。ここのところどちらかというとミステリー系に行っていたのでちょっとご無沙汰してたのだが、大学の図書館で見つけて借りてみた。
これは短編集。はっきり言ってやはり江国香織は長編の方がいいと私は思う。主人公はだいたいあまり濃い感じの人じゃないし、ストーリーもひんやりしている。30ページかそこらの短い中でそういうタイプの人物に入り込むのは難しい。
ゆっくりと染み渡るようなストーリーだから長編でゆっくりと読みたい。
そういう意味では短編を書くというのはほんとに難しい。
それに、私のライフスタイルのせいもあるかもしれない。勤めていた頃は通勤電車の中で読むのに短編が凄く良かった。今はどっかと腰を据えて読むので短編だと物足りなく感じるのかも。
とはいえ、読後感はもちろん悪くはない。どれも少しほろ苦くやさしい物語たち。
5.5カラットは期待しすぎたが故の辛い点かも。
それにしても「犬小屋」という短編に犬が出てこなかったのはがっかりだ。

あなたはオバサンと呼ばれている 内館牧子 6.5カラット
「おばさん」と呼ばれることにひっかかる私たち世代にはぴったりのタイトルで思わず手にとった。子供がいる同世代の友人たちは何の抵抗もないみたいだけど、子供がいないとどうも自分が「おばさん」であることを認めたくないのだ。
これはMINEという女性誌に連載した、「映画に学ぶおばさん化防止法」みたいなエッセイ。映画評としても面白く読めるし、オバサンにならないためのバイブルとしても有効だ。「狂った果実」や「日曜日は別れの時」「シリアルママ」など見てみようかなと思わせる。特に後の2作は題名すら知らなかった。
それにしても「映画」に「オバサン防止」をひっかけてエッセイを毎回書くのは結構大変だったんじゃないかなと感心する。

VOW王国 ニッポンの誤植 宝島社 8.0カラット
日記にも書いたけどとにかくおかしい。笑える。
いろんな誤植を集めただけなのだが、どうしてこんなにわらえるんだろうってくらい笑えます。こんなもんに8.0カラットつける私もどうかと思うけど、まぁここまで笑わせてくれればもっとつけてもいいくらいだ。
なんだか必死にネタを考えているお笑いの人たちがかわいそうになる。
天然ほどおかしいものはないってことか?
何度も言うようですが、立ち読み不可です。本屋で笑う変な人になりますよ!

マダムだもの 小林聡美 6.5カラット
女優小林聡美のエッセイ。何だか今月は楽な本ばかり読んでいますが、気楽に楽しく読めました。小林聡美は想像どおりの楽しいお人柄。というのが伝わってくるエッセイです。泣き虫の旦那様や(三谷幸喜)動物たちのとの暮らし振りがわらわせてくれます。何だかとっても身近な人に感じるけど、ま、実際はハイソなマダムなのかもね。愛犬のラブラドール「とび」の話もうれしい!ひづめの話には笑えました。我が家もひづめは一日で禁止!買う時には全然におわないのにあれはもう拷問的悪臭です。凄すぎ。あと、とびがウンチをするのを「ムリムリっとする」と表現していて、ツボにはまりました。「モリモリ」じゃなくて「ムリムリ」っていうのが、踏ん張ってる感じが凄く良く出てて、私たちの間ではちょっとしたブームです。
ちなみに、このエッセイは雑誌「ラ・ヴィ・ドゥ・トランタン」に連載されていたそうですがあれってそれこそハイソなイメージの雑誌なのにこのエッセイでよかったのかな?

オンナノコのおたしなみ 大田垣晴子 6.0カラット
すみません。また楽な本を選んでしまいました。殆ど漫画に近いエッセイ。でもこの人の絵はとってもほのぼのでかわいいので前から好きでした。内容も肩の力が抜けている楽しいエッセイ。ユーモアも効いているし、楽しく読めます。
「そうそう!あるある!」なんてことが沢山。寝る前にちょっと読んだり、お風呂タイムやトイレタイムにちょっと読むには最適です。
ちなみにこれはHanakoに連載されていたそうです。なるほどねー。

ダーリンは外国人 小栗左多里   7.0カラット
ああ、さらに楽な本。っていうかこれは漫画だろう?
カフェに置いてあったのを1巻2巻とも読んでしまいました。国際結婚をしたイラストレーターの著者がその結婚生活のさまざまなエピソードを楽しく語ってます。くすっと笑える事やへ〜と感心することまでいろいろ。国際結婚だから大笑い!なことも多いけど国際結婚じゃなくても今まで他人だった人たちが一緒に暮らして家族になるって驚きと感動の連続だよね。そういう意味ではけらえいこの「セキララ結婚生活」に近いものがあるかもしれません。
かくいう私も結婚してから驚く事も沢山ありました。すべての扉を開けっ放しの王様。初めはうるさく注意していた私もだんだん注意が面倒になりいつしか自分も開けっ放しをするように...。「また開けるんだから閉めなきゃいいか」おいおい、それじゃ扉の意味がないだろう。ま、結婚ってそういうことです。(違う違う)

ブラフマンの埋葬  小川洋子 6.7カラット
別荘管理人の主人公が、ある日行き倒れの動物を拾って「ブラフマン」と名づけ一緒に暮らし始める。主人公とブラフマンのやさしく、穏やかな日々と悲しい別れが小川洋子の静かな文章で美しく描かれている。実は最後まで「ブラフマン」が何の動物なのかは明かされない。読者は文章から想像するだけなのだ。ラグビーボール大で茶色の毛が全身にはえている。肉球があって、水かきがある。犬か?と思ったけど「しっぽが胴の1.5倍」で違うなと思う。誰かが「かわうそ」と書いていたけど、ブラフマンは主人公の部屋で暮らのだ。かわうそって水の中にいなくていいんだっけ??でもブラフマンは泳ぐのが大好き。なんだか小さいアポロみたいだ。イタチとかそういうものかも。まあ、いろいろ予想しながら読むのも楽しい。ブラフマンは本当にかわいくて読んでいるといとおしくなる。そして題名でわかってしまう別れに向かって物語りが進んでいくのが悲しい。いろんな人の感想を読むと何しろ小川洋子は「博士の愛した数式」が、評価が高く「ブラフマン」はイマイチらしい。「博士」を読んでいないのでなんともいえないが、犬好き猫好きの人は結構これもキュンとくる。前の「偶然の祝福」にも犬が出てきたが、彼女の動物の表現はとてもリアルだ。鳴き声や泳ぎ方、表情の描き方に愛を感じる。犬を飼っているのかもしれない。

エンジェル   石田衣良 6.0カラット
読み始めたときに「このシチュエーションは聞いたことがある」と思った。でも、「この本読んだ事がある」と気づいたのは30ページも読み進んでからだった。それでも結末が全く思い出せなかったので、全部読んでしまう事にした。自分が殺され埋められるところから始まる「幽霊」が主人公のミステリー(かな?)だ。自分を殺した黒幕を追いかけ、愛する人を守り、抜け落ちた2年の記憶を探っていく。主人公が「幽霊」だったり、メール書けたり、ちょっと設定がファンタジックなのに、殺された理由や殺され方がなんとも美しくない。その辺にちょっとイメージのずれというか、違和感を感じた。最後にはちょっと驚かせる(でも予想できたけど。って2度目だろ)事実と、少し感動させるエンディングが待っているのだが、何となく甘いというかぬるい感じが否めない。とちょっと辛口になってしまったが、2回目なのに結局ラストを思い出せなかったのはつまるところインパクトがなかったからか?



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